会社法
第423条役員等の株式会社に対する損害賠償責任
取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。
- 1号第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役
- 2号株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役
- 3号当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。)
前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。
関連条文
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出題実績(2)
第423条第1項
取締役がその任務を怠った場合における株式会社の当該取締役に対する会社法に基づく損害賠償請求権は、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
解説
判例は、会社法423条1項に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効の有効期間は、商法522条所定の5年ではなく、民法167条1項により10年と解するのが相当である、としています(最高裁平成20年1月18日判決)。従って、本選択肢は誤りです。
取締役会設置会社の取締役は、自己のために当該会社と取引をしたことによって当該会社に損害が生じた場合において、その任務を怠ったことが当該取締役の責めに帰することができない事由によるものであることを証明したときは、当該会社に対して当該損害を賠償する責任を負わない。
解説
誤りです。取締役は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います(会社法423条1項)。利益相反取引によって株式会社に損害が生じたときは、利益相反取引をした取締役は、その任務を怠ったものと推定されます(同条3項)。さらに、自己のために直接取引をした当該取締役の責任は、任務を怠ったことが当該取締役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることはできません(会社法428条1項)。すなわち、自己のために直接取引をした取締役は、任務懈怠が推定された上で、無過失責任を負うことになります。
攻撃句
「5年間行使しないときは、時効によって消滅する。」
423条1項が定めるのは任務懈怠責任の発生要件。ここから5年の消滅時効は導けない。
攻撃句
「証明したときは、当該会社に対して当該損害を賠償する責任を負わない。」
自己のために会社と取引した取締役は、無過失を証明しても任務懈怠責任を免れない。