民法
第891条相続人の欠格事由
1
次に掲げる者は、相続人となることができない。
- 1号故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
- 2号被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。 ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
- 3号詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
- 4号詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
- 5号相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
関連条文
条文中の参照・準用と、過去問での出題実績を根拠に表示しています。
参照元
本文中でこの条文を参照する条文
出題実績(2)
第891条第1項
令和4年 午前第22問 肢1誤り
BがAに対する傷害致死罪により有罪判決を受け、この判決が確定した場合には、Bは、相続人となることができない。
解説
誤りです。相続欠格事由(民法891条1号)は「故意に被相続人...を死亡するに至らせ...刑に処せられた者」です。 傷害致死罪は殺意がないため、原則として相続欠格事由には該当しません(最判昭7.12.16)。
令和4年 午前第22問 肢2正しい
Bが相続に関するAの遺言書を破棄した場合であっても、それが相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、Bは、相続人となることができる。
解説
正しいです。遺言書の破棄隠匿による相続欠格(民法891条5号)については、相続に関して不当な利益を目的とするものであったことが必要とされています(最判平9.1.28)。 不当な利益目的がなければ、欠格者にはなりません。
この条文の狙われ方範囲のずらし令和4年 午前第22問 肢1
攻撃句
「傷害致死罪により有罪判決を受け」
相続欠格には死亡させる故意が必要。殺意のない傷害致死では欠格にならない。
この条文の狙われ方除外の正面適用令和4年 午前第22問 肢2
攻撃句
「不当な利益を目的とするものでなかったとき」
遺言書を破棄・隠匿しても、不当な相続利益を得る目的がなければ欠格にならない。