不動産登記法
第63条判決による登記等
第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。
関連条文
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出題実績(3)
第63条第1項
甲不動産について法定相続分による所有権の移転の登記がされた後に、Aの遺産分割に関する調停が成立し、その調停調書に、C及びDがBに対して甲不動産の持分各4分の1につき遺産分割を原因とする持分移転登記手続をする旨の記載がある場合には、Bは、遺産分割を登記原因として単独でC及びDからBへの持分の移転の登記の申請をすることができる。
解説
正しいです。 調停調書に「持分移転登記手続をする」旨の記載がある場合、それは給付判決と同一の効力を持ちます。Bは登記権利者として、単独で持分移転登記を申請することができます(不動産登記法第63条1項)。
競売による売却を原因としてAからBへの所有権の移転の登記がされている場合には、BはAに対し当該所有権の移転の登記について競落無効を原因とする抹消登記手続をする旨の記載のあるAとBとの和解調書の正本を添付して、Aが、単独で当該所有権の移転の登記の抹消の申請をすることはできない。
解説
誤りです。 登記名義人Bが、Aに対し「競落無効を原因とする抹消登記手続きをする」旨を認諾した和解調書があれば、権利者Aは、この和解調書を登記原因証明情報(兼、義務者の承諾を証する情報)として、単独で抹消登記を申請することができます(不動産登記法第63条第1項)。
攻撃句
「単独でC及びDからBへの持分の移転の登記の申請をすることができる」
確定判決と同じ効力をもつ調停調書でも、相手方は持分移転登記を単独申請できる。
攻撃句
「単独で当該所有権の移転の登記の抹消の申請をすることはできない」
抹消登記を命ずる和解調書は確定判決と同じ効力をもつ。相手方Aは単独で抹消申請できる。
第63条第3項
Aを登記名義人とする地上権の設定の登記がされている甲土地について、Aが当該地上権をAの相続人であるBに遺贈する旨の遺言書を作成した場合において、その後、Aが死亡したときは、Bは、単独で、遺贈を登記原因とするAからBへの地上権の移転の登記を申請することができる。
解説
誤りです。 相続人に対する遺贈について単独申請が認められるのは「所有権」に限られます(不動産登記法63条3項)。地上権の移転登記については、原則通り共同申請によらなければなりません。
攻撃句
「単独で、遺贈を登記原因とするAからBへの地上権の移転の登記を申請することができる」
遺贈による単独申請は、相続人への所有権移転に限る。地上権移転はBだけでは申請できない。