商業登記法
第47条設立の登記
設立の登記は、会社を代表すべき者の申請によつてする。
設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。
- 1号定款
- 2号会社法第五十七条第一項の募集をしたときは、同法第五十八条第一項に規定する設立時募集株式の引受けの申込み又は同法第六十一条の契約を証する書面
- 3号定款に会社法第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、次に掲げる書面
- イ検査役又は設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあつては、設立時取締役及び設立時監査役)の調査報告を記載した書面及びその附属書類
- ロ会社法第三十三条第十項第二号に掲げる場合には、有価証券(同号に規定する有価証券をいう。以下同じ。)の市場価格を証する書面
- ハ会社法第三十三条第十項第三号に掲げる場合には、同号に規定する証明を記載した書面及びその附属書類
- 4号検査役の報告に関する裁判があつたときは、その謄本
- 5号会社法第三十四条第一項の規定による払込みがあつたことを証する書面(同法第五十七条第一項の募集をした場合にあつては、同法第六十四条第一項の金銭の保管に関する証明書)
- 6号株主名簿管理人を置いたときは、その者との契約を証する書面
- 7号設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
- 8号設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社であるときは、設立時執行役の選任並びに設立時委員及び設立時代表執行役の選定に関する書面
- 9号創立総会及び種類創立総会の議事録
- 10号会社法の規定により選任され又は選定された設立時取締役、設立時監査役及び設立時代表取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあつては設立時監査等委員である設立時取締役及びそれ以外の設立時取締役並びに設立時代表取締役、設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあつては設立時取締役、設立時委員、設立時執行役及び設立時代表執行役)が就任を承諾したことを証する書面
- 11号設立時会計参与又は設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
- イ就任を承諾したことを証する書面
- ロこれらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
- ハこれらの者が法人でないときは、設立時会計参与にあつては会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、設立時会計監査人にあつては同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
- 12号会社法第三百七十三条第一項の規定による特別取締役(同項に規定する特別取締役をいう。以下同じ。)による議決の定めがあるときは、特別取締役の選定及びその選定された者が就任を承諾したことを証する書面
登記すべき事項につき発起人全員の同意又はある発起人の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
会社法第八十二条第一項(同法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定により創立総会又は種類創立総会の決議があつたものとみなされる場合には、第二項の登記の申請書に、同項第九号の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
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第47条第2項
現物出資財産について定款に記載された価額の総額が500万円を超えない場合には、設立の登記の申請書に、設立時取締役( 設立する株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役 )の調査報告を記載した書面を添付することを要しない。
解説
誤りです。現物出資財産の定款記載額の合計が500万円以下なら検査役の調査は不要ですが、設立時取締役等による調査報告書まで不要になるわけではありません。商業登記法47条2項3号イにより、その書面の添付が必要です。
現物出資財産について定款に記載された価額の総額が500万円を越えない場合において、当該現物出資財産の全てが不動産であるときは、設立の登記の申請書に、不動産鑑定士の鑑定評価書を添付しなければならない。
解説
誤りです。現物出資財産が全て不動産でも、定款記載額の合計が500万円以下であれば検査役調査の対象外です(会社法33条10項1号)。この場合、不動産鑑定士の鑑定評価書を添付する必要はありません。
検査役の報告を受けた裁判所によって、現物出資財産の価額を変更する決定がされた場合には、設立の登記の申請書に、当該決定書の謄本を添付しなければならない。
解説
正しいです。検査役報告を受けた裁判所が現物出資財産の価額を変更する決定をしたときは、その判断内容を登記審査に反映させるため、決定書の謄本を設立登記申請書に添付します(商業登記法47条2項4号)。
現物出資財産が市場価格のある有価証券であって検査役の選任及び調査を要しない場合には、設立の登記の申請書に添付すべき有価証券の市場価格を証する書面は、当該現物出資財産の給付の日の最終の市場価格を証するものでなければならない。
解説
誤りです。市場価格のある有価証券について検査役調査を省略する場合、提出すべき書面は給付日の市場価格を示すものではありません。定款認証日の最終市場価格等、法令が定める基準額を証する書面です(商業登記法47条2項3号ロ)。
当該設立が募集設立である場合において、定款に記載した発行可能株式総数を払込期日の後に変更したときは、発行可能株式総数について決議した創立総会の議事録を添付しなければならない。
解説
正しいです。募集設立では、払込期日後の定款変更は創立総会の決議によります(会社法96条)。発行可能株式総数をその決議で変更した場合、設立登記には当該創立総会議事録を添付します(商業登記法47条2項)。
当該設立が発起設立である場合において、設立時取締役を定款で定めた場合は、その者が発起人以外の者であっても、当該設立の登記の申請書には、当該設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面を添付することを要しない。
解説
誤りです。設立時取締役は、定款で定められた者であっても、発起人以外の者である場合は、就任を承諾したことを証する書面(就任承諾書)の添付が必要です(商業登記法47条2項)。
払込金のうち発起人の出資の履行部分については、金銭の保管に関する証明書に代えて、払込取扱金融機関における預金口座に入金の記録のある預金通帳の写しを合てつした設立時代表取締役の作成に係る払込取扱金融機関に払い込まれた金銭を証明する書面を添付して、設立の登記を申請することができる。
解説
誤りです。募集設立の場合、払込金については、金融機関による払込金保管証明書を添付しなければなりません(商業登記法47条2項、会社法64条1項)。預金通帳の写しで足りるのは発起設立の場合です。
攻撃句
「の調査報告を記載した書面を添付することを要しない」
現物出資等があれば、500万円以下でも設立時取締役等の調査報告書は必要。省略できるのは検査役の調査。
攻撃句
「決定書の謄本を添付しなければならない」
現物出資財産の価額変更決定も、検査役の報告に関する裁判。その謄本を添付する。
攻撃句
「創立総会の議事録を添付しなければならない」
募集設立で払込期日後に発行可能株式総数を変えたなら、その決議を記載した創立総会議事録が必要。
攻撃句
「設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面を添付することを要しない」
設立時取締役等の就任承諾書は、その者が発起人でも必要。
攻撃句
「金銭の保管に関する証明書に代えて、払込取扱金融機関における預金口座に入金の記録のある預金通帳の写しを合てつした設立時代表取締役の作成に係る払込取扱金融機関に払い込まれた金銭を証明する書面を添付して」
募集設立では、発起人の出資分も金銭保管証明書が必要。通帳の写しなどでは代えられない。
第47条第3項
当該設立が募集設立である場合において、定款に設立時募集株式の種類及び種類ごとの数、設立時募集株式の払込金額並びに払込期日又は払込期間の記載がなく、後にこれらを定めたときは、これらを定めるにつき発起人全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
解説
正しいです。設立時募集株式の種類・数、払込金額、払込期日又は期間は、発起人がその都度全員一致で定める事項です(会社法58条1項、2項)。よって、設立登記には発起人全員の同意を証する書面を添付します(商業登記法47条3項)。
設立時発行株式を引き受ける者の募集をする場合において、定款に設立時募集株式の数、設立時募集株式1株と引換えに払い込む金銭の額及び設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日に関する事項の定めがないときは、設立の登記の申請書には、当該事項を決定した発起人全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
解説
正しいです。設立時募集株式の数、その払込金額、払込期日に関する事項について定款に定めがないときは、発起人全員の同意によってこれらを定めなければなりません(会社法58条2項)。そして、募集設立による設立の登記の申請書には、これらの事項を発起人全員の同意により定めたことを証する書面を添付しなければなりません(商業登記法47条3項)。したがって、本記述は正しいといえます。
攻撃句
「発起人全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない」
定款になかった設立時募集株式の条件を後で定めたなら、発起人全員の同意を証する書面が必要。
攻撃句
「発起人全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない」
定款になかった設立時発行株式の事項を後で定めたなら、発起人全員の同意を証する書面が必要。