商業登記法
第46条添付書面の通則
登記すべき事項につき株主全員若しくは種類株主全員の同意又はある取締役若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
登記すべき事項につき株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。
登記すべき事項につき会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)又は第三百七十条(同法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議があつたものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
監査等委員会設置会社における登記すべき事項につき、会社法第三百九十九条の十三第五項又は第六項の取締役会の決議による委任に基づく取締役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。
指名委員会等設置会社における登記すべき事項につき、会社法第四百十六条第四項の取締役会の決議による委任に基づく執行役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。
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第46条第2項
当該取締役会設置会社が現に2以上の種類の株式を発行している場合において、株式の分割の効力発生と同時に当該株式の分割に係る分割比率を超えない範囲内で発行可能株式総数を増加したことによる変更の登記の申請書には、取締役会議事録を添付すれば、株主総会議事録を添付することを要しない。
解説
誤りです。取締役会設置会社が株式の分割と同時に分割比率を超えない範囲で発行可能株式総数を増加する場合、原則として株主総会の決議によらず取締役会の決議で定款変更ができます(会社法184条2項)。ただし同項のかっこ書により、現に2以上の種類の株式を発行している会社はこの例外の対象外となるため、株主総会の決議が必要です。したがって本問の登記申請書には、株主総会議事録を添付しなければなりません(商登法46条2項)。
株主に株式の割当てを受ける権利を与えてする募集株式の発行の場合において、取締役会設置会社が募集事項を取締役会の決議により決定したときは、募集株式の発行による変更の登記の申請書に、取締役会の議事録に加え、定款を添付しなければならない。
解説
公開会社でない株式会社において、株主に株式の割当を受ける権利を与えた募集株式の発行をする場合、募集事項の決定は、原則として、株主総会の決議によります。もっとも、定款に募集事項を取締役会の決議により定めることができる旨の定款の定めがある場合には、取締役会の決議によることができます。この場合、募集株式の発行による変更の登記申請書には、取締役会の議事録に加え、定款を添付しなくてはなりません(商業登記法46条2項、商業登記規則61条1項、会社法202条3項2号参照)。従って、本選択肢は正しいです。
会社法上の公開会社が発行する募集株式の割当てにより引受人となった者が、その引き受けた募集株式の株主となることにより、当該募集株式の引受人の全員が株主となった場合における総株主の議決権の過半数を有することとなる場合に、総株主の議決権の10分の1以上の議決権を有する株主から反対の通知があったときは、当該会社の財産状況が著しく悪化している場合において、当該会社の事業継続のため緊急の必要があるときを除き、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、当該割当ての承認を決議した株主総会の議事録を添付しなければならない。
解説
正しいです。公開会社の募集株式発行で、引受人が株主となった場合に総株主の議決権の過半数を有することとなるときは株主への通知等を要し、議決権の10分の1以上を有する株主から反対の通知があったときは、原則として株主総会の決議による割当ての承認が必要です(会社法206条の2第4項)。財産の状況が著しく悪化し事業継続のため緊急の必要がある場合を除き、その議事録が添付書面となります。
定時株主総会において、当該定時株主総会の日における欠損の額を超えない範囲で資本金の額を減少する旨の決議が普通決議によりされたとしても、その旨の記載がされた株主総会の議事録を添付して、資本金の額の減少による変更の登記の申請をすることができる。
解説
正しいです。定時株主総会の日における欠損額の範囲内で資本金を減少させる場合は、特別決議ではなく普通決議で行えます(会社法447条1項、309条2項9号)。その決議を記載した議事録を添付して、減資登記を申請できます。
定款に「当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を要する。」旨の定めがある会社が、募集株式を引き受けようとする者と総数引受契約を締結した場合には、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、定款に別段の定めがあるときを除き、総数引受契約を承認した株主総会の議事録を添付しなければならない。
解説
誤りです。本問の会社は取締役会設置会社であり、非公開会社です。非公開会社が募集株式の発行(総数引受契約の承認を含む)を行う場合、原則として株主総会の特別決議が必要です(会社法204条2項、205条2項)。ただし、取締役会設置会社であるため、登記申請書に添付すべきは、株主総会議事録ではなく、取締役会議事録(募集事項を決定した機関の議事録)が原則となります(商業登記法46条2項)。したがって、株主総会議事録の添付を必須とする点が誤りです。
会社法上の公開会社が発行する募集株式が譲渡制限株式である場合には、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、定款に別段の定めがあるときを除き、募集株式の割当てについて決定した取締役会の議事録を添付しなければならない。
解説
正しいです。本問の会社は公開会社ですが、譲渡制限株式を発行しています。この場合、割当ての決定機関は取締役会であり、登記の申請書には、その割当てを決定した取締役会の議事録を添付する必要があります(商業登記法46条2項)。
取締役会設置会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与えないで募集株式を発行する場合は、定款に別段の定めがあるときを除き、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、株式の割当てを決定し、又は総数引受契約を承認した株主総会の議事録を添付しなければならない。
解説
誤りです。非公開会社が募集株式の発行を行う場合、割当ての決定機関は株主総会ですが、取締役会設置会社であるため、割当て決定または総数引受契約の承認を証する書面としては、取締役会の議事録を添付する必要があります(商業登記法46条2項)。したがって、株主総会の議事録の添付を必須とする点が誤りです。
吸収合併に際して吸収合併消滅会社の株主に対して交付する金銭等の全部が公開会社でない吸収合併存続会社の譲渡制限株式である場合は、吸収合併消滅会社が吸収合併存続会社の特別支配会社であっても、吸収合併による変更の登記の申請書には、吸収合併契約を承認した吸収合併存続会社の株主総会の議事録を添付しなければならない。
解説
正しいです。吸収合併存続会社が吸収合併消滅会社の特別支配会社に該当する場合、原則として吸収合併契約の承認に係る株主総会決議は不要です(会社法796条1項本文)。しかし、合併対価の全部又は一部が譲渡制限株式であって存続会社が公開会社でない場合は、同項ただし書により再び株主総会の特別決議が必要となります。したがって、本問のように対価の全部が公開会社でない存続会社の譲渡制限株式である場合、変更の登記の申請書には、吸収合併契約を承認した存続会社の株主総会の議事録を添付しなければなりません(商業登記法46条2項)。
攻撃句
「取締役会議事録を添付すれば、株主総会議事録を添付することを要しない」
決議を要する事項には、その議事録が必要。2種類以上の株式を発行する会社では、取締役会議事録だけで足りるとは限らない。
攻撃句
「その旨の記載がされた株主総会の議事録を添付して」
欠損額を超えない資本金減少は普通決議で足りる。その株主総会議事録を添付して申請できる。
攻撃句
「取締役会の議事録を添付しなければならない」
公開会社が譲渡制限株式を募集発行するとき、割当ては原則として取締役会決議。その議事録を添付する。
攻撃句
「株主総会の議事録を添付しなければならない」
略式合併でも、対価が非公開の存続会社の譲渡制限株式なら、存続会社の株主総会議事録が必要。
第46条第1項
B社がA社との合意によって吸収分割の効力発生日を変更した場合には、A社の吸収分割による変更の登記の申請書に、変更後の効力発生日を公告したことを証する書面を添付しなければならない。
解説
誤りです。効力発生日の変更は当事会社の合意で可能であり、変更後の日は公告しなければなりません(会社法790条1項、2項)。もっとも、その公告をしたことを証する書面は、吸収分割登記の添付書面とはされていません。
現にA種種類株式及びB種種類株式を発行している会社がA種種類株式の内容を変更して取得条項付株式とした場合には、株式の内容の変更の登記の申請書には、A種種類株式を有する株主全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
解説
正しいです。種類株式発行会社が、ある種類の株式の内容を、株主の利益に大きな影響を与える取得条項付株式に変更する定款の変更をしようとするときは、当該種類の株主全員の同意を得なければなりません(会社法111条1項)。そして、この全員の同意があったことを証する書面を登記申請書に添付する必要があります(商業登記法46条1項)。
ある種類の株式について株式の内容を取得条項付株式とする定款変更による株式の内容の変更の登記を申請するときは、当該登記の申請書には、当該種類株主全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
解説
正しいです。 種類株式発行会社が、ある種類の株式の内容を取得条項付株式に変更する場合、当該種類株主の全員の同意が必要です(会社法111条1項)。この全員の同意を証する書面を登記申請書に添付しなければなります(商業登記法46条1項)。したがって、この記述は正しい内容です。
攻撃句
「同意があったことを証する書面を添付しなければならない」
取得条項付株式への変更には、種類株主全員の同意を証する書面が必要。
攻撃句
「同意があったことを証する書面を添付しなければならない」
取得条項付株式への定款変更には、その種類株主全員の同意を証する書面が必要。